RuiAuden

関心領域のRuiAudenのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.5
アウシュビッツ強制収容所の隣に住む所長一家の「ありふれた日常」が淡々と描写(観察)されているが…「見せない」ことで増す悍ましさ。特にザンドラ・ヒュラー演じる所長の妻の存在が出色で寒気がする。ナチスによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)とイスラエルによるガザ蹂躙(誰が何と言おうと、紛れもなくジェノサイド)は一体何が違うと言うのか。何も違わない。過去から何も学ばず、こうして愚行(無差別大虐殺)は繰り返されてゆく。アカデミー賞(偽善がまかり通るハリウッド)におけるジョナサン・グレイザーの発言と勇気を支持し、敬意を称する。このような歴史がありながら、何故イスラエルは「リンゴを配る」側に回れないのであろうか?あまりにも酷い皮肉である。この作品を「退屈」「薄い」等と抜かす人は己の「関心領域の狭さ」を図らずも露呈していることに気付いたほうが良い。
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