たけお

関心領域のたけおのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

予告編がピークだった…

めちゃくちゃ楽しみにしていたが、残念だった。
この映画の凄さ、面白さがわからない自分に問題があるんだろうな…

アカデミー外国語映画賞、音響賞を獲得し、予告編が公開されると、これまでにないホラー映画という触れ込み。
期待は最高潮だったが、予告編の不穏な音響が全てで、自分には、それ以上のものは何もなかった。

アウシュヴィッツ収容所の隣で、普通の暮らしをしている所長家族の日常が描かれている。

冒頭は、タイトルが長く映り、その後も真っ暗な状態が続き、不穏な音が迫ってきたところで、
川で水遊びをする収容所所長家族の風景。
家の隣が壁で、うっすらと収容者のうめき声や、銃声、途中からは、はっきりと、しょうもないことで暴力を振るわれている姿を想像させる声が響いてくる。
しかし、壁一枚を隔てた家族は、何事もないかのように日常が続いている。
父親の誕生日を家族で祝い、部下に祝ってもらい、美味しい贅沢な食事が出てきて、豪華な毛皮のコートが贈られてきて…

全て予告編で連想できることで終わっていった…

妻の母親が泊まりにきたが、その異様さに、なにも言わず出ていったことくらいで、子供は、惨劇を見ることなく、父親が正しく、人形で軍隊ごっこをしている。
かといって、父親を尊敬しているようにも、贅沢な暮らしを幸せに感じることもない様子。
妻に至っては、昇進で離れることになったら、単身赴任を勧め、これまでの暮らしを続けようとする。
隣で、うめき声や、銃声や、殴打の音や、焼却炉で焼く遺体の臭いにすら何も感じない生活。
喜んでいるとは言わないが、そんな環境より、贅沢な今の暮らしを続けることの方が大事に思える感覚が異様だった。

壁の向こうは地獄だが、壁のこちら側にも、何も幸せを感じられないのが、ホラーなのだろうか?

後半の単身赴任以降は、何がなんなのか、全くわからず、理解ができなかった。
そこに、この映画の面白さがあるのだろうが、
前半の異様さを越えるものは何もなく、あ!終わった…って感じだった。

全体的には、可もなく不可もなく、ただ、残酷なシーンを一切見せず、音だけで想像させる怖さはあった。
たけお

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