第2次世界大戦下のポーランド。アウシュビッツ強制収容所所長のルドルフ・ヘスとその家族は、収容所と壁を隔てたすぐ隣の家で暮らしていた。収容所からの音や立ち上る煙などが間近にありながら、一家は満ち足りた日常を送っていた…というストーリー。
その設定だけでなんとも言えない気持ちになる…😣
『落下の解剖学』のサンドラ・ヒュラーが所長の妻。
使用人に向かって言う言葉が怖いけど、本人はそれが日常。壁一枚隔てた隣のことは微塵も気にならず、関心があるのは自分の家🏠や庭🌻だけというキャラがぴったり👍
隣で何が起きているか、知っているのに、何も知らないのと同じように日々を過ごせる無関心の怖さ。
シンメトリーな構図、暗視カメラによるモノクロ反転映像、不穏で不快で不安な気持ちにさせる音楽で、壁の向こうとこちらの対比をひたすら静かに淡々と描き続けるだけ。
観る人が感じ取れるかどうか、その人の想像力に委ねられている。
言いたいことは分かるし、実験的で面白い映画だとは思うけど、作品としては物足りなく感じた。
戦時中のドイツ人の暮らしぶりを知りたい方にオススメ。