パノプティコン

関心領域のパノプティコンのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.0
直接描写なく感じる恐怖感と
それに慣れてしまう恐怖体験。

関心/無関心の範疇を区切り、
どこか感覚を麻痺させながら
生きていることをメタ認知できる映画。

悲鳴、罵声、焼却炉の稼働音をBGMに、
監視カメラのようなショットで
終始不穏な雰囲気。

淡々としたホームドラマに
垣間見える凡庸な悪、
押収品を何事もなく使用する壊れた倫理観。

過去の悪を一歩引いて観ているつもりでも
不快な環境音を徐々に忘れ、
ドラマに集中してしまう恐怖。

ラストシーンは主人公に向けて、
未来を知る人々の感情、知見が
フラッシュフォワードしたように思えた。
パノプティコン

パノプティコン