このレビューはネタバレを含みます
描写のない【音】だけの演出からはじまり、それが私には観る人に「想像できますか?」と問いかけているように感じた。
【音】は最初から最後まで続いた。あんなにずっと【音】がするのに、あらゆる音に無関心でいられるのが怖い。ルドルフや奥さんの差別的な発言や利己的な態度はわかりやすかったが、この映画も描かれているものに自分から関心を持とうとしないと意識すべきことや解るべきことが見えなくなるような感じがした。意味を読み取るのが難しい描写がいくつかあったけど、自分が読み取った描写だけでもゾッとするようなことを平気な顔してしている家族の生活が描かれていた。
自分の事情、幸せさえ叶えば他人の生活とか尊厳とかどうでもいいの?こんなに近くにいるのに、何も感じないの??と家族に問いかけたくなった時、自分だって何かに無関心でいられて、想像しない楽さに甘んじて、それゆえに幸せに生活している人間じゃないかと内省をする。
わからなかった描写はどういう意味なのか調べたいし、アウシュビッツで起きたことについて、自分が想像で至らなかった惨事を自分で学んでいく姿勢が求められる…
メモ: りんご、何人、嘔吐、おばさん、方法