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関心領域のnejiのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんならポップコーン食べながら、シネコンでこれをエンタメとして観てる感じも、違和感になったり。

ガザやウクライナなど関心内のことや、名前も知らない関心外のエリアのことも脳内をチラつきながらも、映画を観ていた。

でも自分たちは特に何かするわけでもなく、日常をすごしてるわけで、でも、そうすると決めたと自覚をもって過ごそうとは思った。意味ない自覚だけど。

あの奥さんはヤバい感じにも見えるけど、そう適応しないと生きていけないし、それでいいよね、そういうの誰かが裁くもんでもないよねとは思った。きっと僕らも似たようなものだし。(でも、引っ越すチャンスで出て行かないとこは、適応しすぎてヤバい)

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映画は、構図や画面きれいだし、思ったより壁の向こうに関心ある感じだったし、なるほどこういうまとめ方をするのかと、納得しながら観ていた。音や画面の隅々まで、何か起きてないか集中しながら、観る感じが新鮮。ふつうはもっと、物語の筋を追うけど、今回はそんな風景を2時間眺める感じ。

たまに出る子供の「二度とやらないでね」みたいなセリフや、強めに出る収容所からの声や、大量の死とは比較にならない家庭内の苦痛や哀しみや、黒い煙や、いろんなものが、映像としては美しく構成されていて、魅入ってしまった。美しいから、中身との対比で感情がぐちゃぐちゃっとなる。ライフイズビューティフルや、NHK映像の世紀を思い出しながら。

そして何より最後の収容所の掃除シーンは、すごかった。広島が出なかった、オッペンハイマーにも、あんなシーンを出して欲しかったな…

いろいろ分かってないメタファーもあるので、調べてみようと思ったし、アウシュビッツのこと、もう少し違う視点からも調べようと思った。
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