rnagwtg

関心領域のrnagwtgのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

本当に無関心の恐ろしさがテーマなのだろうか?無関心の領域を超えて狂気だと思った。暴力に物理的距離が近ければ近いほど人は狂っていきありえないほどに無関心になる。

暴力を目の当たりにすると人は心が麻痺してしまう。それを傍から見た図が狂気的な無関心なのではないか?
つまり無関心→暴力というより暴力→無関心なのではないか。
無関心から暴力は生まれない。じゃあなぜ暴力が始まるのか?

これをみていた時、ある程度の事前知識があったせいか、序盤はホロコーストの片鱗を探すことに集中していた。片鱗が見えるともっと見せて欲しいとすら思った。だが後半にかけてどんどん銃声や叫び声が大きくなりガス室が作られていく過程を会話から見せられ、ホロコーストがリアルに感じられるにつれて自分自身が無関心になっていった。
この暴力への根源的な関心→無関心の心の動きこそが人間の都合の良さであり最も恐ろしい暴力的な一面なのではないか?本当に恐ろしいのは人間の無関心さではなく、悪に対するしつこいまでの好奇心ではないか。

だんだん慣れてきた飽きてきたなーからのあのエンドロール、痺れる。最後の最後に観客を正気に戻させる仕掛け。慣れて来たの?お前もだよと言われている気がした。
rnagwtg

rnagwtg