退席したくなった作品は初めて。つまらないのではなく、演出がかなり残酷に感じて序盤から観ていられなくなってきた。音の効果をこんなにも強く感じたのも初めて。地鳴りのような音が常に耳について、途中、人の声も。庭から見えるアウシュビッツ収容所の屋根や壁。こんな背景に目がいく作品も初めて。。奥さんの母親が、あなたは運がいい、と言った。こんなにも軽くて非情に聞こえる台詞も初めてかな。あの家族もヒトラーだった。ヒトラーがヒトラーを生む。生んでいた。この家族はとても豊かな暮らしをしていて、無関心さが際立つが、では、私はどうだろう。豊かさの度合いは違うが、同じ。やっていることは同じ。数少ない台詞だが、もう何も聞きたくなかった。きっと、自分に向けられた映画だったからだ。。パレスチナの現状にリンクする作品であるし、これからを考えざるを得なくなった。