ユニークな方法で人間が有する”恐ろしさ”を描いた力作！
かつてブロンクス動物園にあったという説明板「THE MOST DANGEROUS ANIMAL IN THE WORLD」を想起したけど、しかし、この説明版はラストシーンでこの映画を観ている私たちに向けれているんじゃないかなと感じた。アウシュヴィッツ収容所の隣で、壁の向こう側で行われている事実を知りながら、普通以上の幸せな生活を送っているヘス家の人たちに私たちは”人間の異常さ”を感じるだろうけれど、アウシュヴィッツ収容所の現代が出てくるラストシーンで、客を受けいるために清掃作業などのシーンは、そこで起こった事実が現代の私たちの”関心領域の外”であるという強烈な皮肉を投げかけていることが、この作品の白眉だと感じました。
この作品は、画面に映っていることよりも、後ろから聞こえてくる銃声や人々の声、夜のシーンであればライトなどがとても重要ですねぇ。
