DJあおやま

ゆとりですがなにか インターナショナルのDJあおやまのレビュー・感想・評価

4.0
テレビドラマ版は観ていなかったけど、ちゃんと楽しめた。話はけっして一本筋ではなく、テレビドラマ版以降の世間の出来事を取り入れつつ同窓会的なノリで、次々にキャラクターが登場してはわちゃわちゃを繰り広げる。今をときめくキャスト大集合のおかげで、そんなわちゃわちゃをずっと観ていられる。映画を観ているとたいてい、「上映時間が2時間だからそろそろクライマックスか?」、「ここが起承転結でいう転か?」とか無粋なことを考えながら観てしまうけど、そういうことは考えずゆったりと身を委ねることができたのは豪華キャストの安心感ゆえか。
競争心や向上心がないと言われる“ゆとり世代”が、管理職に就いたり家庭を持ったり、責任という重圧を感じ始めるなか、Z世代という新人類まで現れて、時代のせいにしたくなるこんな世の中で、毎日もがき苦しみ奮闘している。そんな精いっぱい生きることの愛おしさや、誰かと生きる心強さみたいなものを坂間家たちを観ていて感じた。今を生きている人であれば誰もが突き刺さるテーマ満載だけど、けしてネガティブにならずコメディとして描いていて素晴らしい。安藤サクラの演技の“ガチさ”によって、産後うつのエピソードは、コメディのなかでも際立って考えさせられるテーマになっていた。
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