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ゆとりですがなにか インターナショナルのmanamiのレビュー・感想・評価

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あんたの正義は一体何だ?
ドラマ版からのファンには、オープニングからさっそく嬉しい!
アップデートとかデフォルトとか、「〇〇って言いたいだけじゃん」的ワード大集合。クドカンらしいセンスで選ばれた言葉の数々が、それぞれの登場人物がいかにも口にしそうなセリフに織り込まれていく。
ストーリーもね。「『ハングオーバー』したいだけじゃん」な基準線の上で、ドラマ版からしっかり引き継がれたキャラクター達が、令和になっても見事に生きている。
特に山岸の「変化」の描き方が上手いよなぁ。ドラマ版終了からの6,7年間をいわゆるごく普通の「会社員」として過ごしてきたのは、メイン三人にも他の主要キャストにもいない。山岸だけだ。ゆとりモンスターとしての彼のキャラは守りつつ、かと言ってあの当時のままでは日本のカイシャで生き残ることは現実問題不可能だから、変わっていない部分と変わった部分で、ゆとり世代のリアルな現在進行形になっている。
他のキャラクターもみんなそう。「数年間を経て復活した」と言うよりも、私たちそれぞれが過ごしてきた時間があったのと同じように彼らには彼らの時間がちゃんと流れてたんだなぁと感じさせてくれる。山路が授業で伝えていたように、思春期がずっと続いていたし、まだまだ続いていくのだ。
キャストはもう全員良すぎて語れない。天才。誰がかは分からないけど天才。誰にかは分からないけど深く感謝申し上げたい。
ただ、まりぶの妻・ユカ役の瑛蓮(えれん)はなんで名前がないの?パンフレットでも一切触れられてないし、不思議に思ってドラマ版の方も見てみたら、そっちにもないじゃないの。今作ではそれほどでもないけど、ドラマ版ではけっこうしっかり役割あったよね?ほんと不思議だし、なんかイヤ〜な理由じゃければいいんだけど。
笑っちゃうところももちろん多数。「茜ちゃんが若女将なら私は…?」とか、ハロウィンの渋谷でさまようのとか、「もっとキムチを!」とか、「Z世代のZは〇〇のZ」とか、エビチリ配信とか、もちろんハングオーバーのくだりも。あと終わってみると、上白石萌歌のムダ遣いもジワる。

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