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愛なのにのmanamiのレビュー・感想・評価

愛なのに(2021年製作の映画)
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城定秀夫監督×今泉力哉・城定秀夫脚本。『猫は逃げた』のカンタと毎熊克哉も出演。
いやー、笑ったわー。一人で観てて、一人で声出してめちゃくちゃ笑ったよ。特に彼女が「人には言えない感情」を告白するとこと、彼女がダメ出ししまくるとこね!
奢ってくれる既婚男性とか、諦め癖がつく云々の熱血鉄棒父子もフフッとはなるけどね、やっぱりこの女性陣のぶっちゃけには到底敵わないよ。
亮介がほんっとーに最低最悪で、あの嘘も、バレたのにその後も続けやがるのも、「してから言う」のも、とにかく嫌悪感しかない。あとさ、あの見た目であるがゆえの、あのポテンシャルでもあり得るのよね、説得力あるわ〜。中島歩がヤバいくらい最高にハマり役で、だからこそムカつくし、だからこそ面白すぎる。
ただ、私はコメディとしてゲラゲラ笑ってたけど、鑑賞後に考えてみると、これ、男性からするとどうなんだろう?もしやある意味ではホラーなのか?
そしてさらに、ちょっとディープに真面目に考察するならば、彼が指摘された内容を世の男性諸氏が気に病むことはあっても、(プロの方は別として)女性がそう言われることってなくない?サカナに例えられたり、個々のテクニックについて評価されたりすることはあっても、全体をそういう観点からって、少なくとも私は聞いたことない。
となると、それはそれで女性にとってあまり喜ばしいことでもない気がしてくるわ。双方向的であるべきコトで、女性だってそうだったりそうじゃなかったりするべきなのでは?他の国ではどうなんだろうな、そういう価値観が存在する文化もあるのかもしれないな。
そんなこんなで、大人たちのぐちゃんぐちゃんな関係性に、高校生二人が清々しいアクセントになってて、可愛らしい、微笑ましい。河合優実も丈太郎もやはりうまいなと感心もしつつ。
瀬戸康史も文句なしに良い!あの髪型、髭、メガネ、ファッション、体型、なにもかもが「本にしか興味がないわけではない古本屋店主」っぽすぎるわ。ただ唯一、彼も便箋に向かうあのシーンは、最後までバックショットだけの方が私は好きだな。
あとは、岬と多田の年齢差について。成人年齢引き下げに伴って女性の婚姻も18歳からに変更されたけど、それでも2年後に二人が結婚しようってなったら、反対されたり非難されたりは当然予想される。
現実社会でも「妻が中学生の頃に出会った18歳差夫婦」と「両者とも成人後に出会った17歳差夫婦」それぞれへの、世間の反応があまりにも違ってたしね。淫行さえしてなければ問題はないはずなのに、そんなふうにはなかなか捉えてもらえないよなぁ。

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