ぺた

雨降って、ジ・エンド。のぺたのレビュー・感想・評価

雨降って、ジ・エンド。(2020年製作の映画)
-
この映画で描かれている人としての最小単位は2だった。私が日々そう信じていた値が同じ数でこの映画にもあった。対峙、対話。
1では人になれないし3以上でもその人そのものの形は掴めない。目の前の人、とその人に対峙する私、の2。


人が何を思うのも心のままに感じるのも自由であって本来美しいし、恋は素晴らしいものだ。だけど手放しに肯定できない。私は全ての加害を嫌悪する。そしてペドの根底にある支配欲や加害欲は擁護されることはなく許されないと思う。それらは矛盾せず同時に待ち合わせ成立する。それはそれ、これはこれなのだ。だから難しい。
恋と、性欲、加害欲を同じものとしてくくるのは断じて違う。後者は美しいものでもなんでもない。
治療の余地があるなら、その俯瞰できている心のまま向かう先はクリニックだと思う。本作は告白を受ける側が相手を教育者として向き合えていたからなんとかラインを踏み越えずに済んだだけで。
映画の希望に強く頷くと同時に、届く人に届く映画であって欲しいと願う。ハッとして加害に加わる前に。好意が暴力となって誰かが傷つく前に。
ぺた

ぺた