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Winter boyのxavierのレビュー・感想・評価

Winter boy(2022年製作の映画)
3.6
17歳の冬、僕の世界は崩壊した…
父親が交通事故で急死し寄宿舎からアルプス山麓の実家に連れ戻された17歳の少年リュカ。深い悲しみと喪失感に苛まれた彼は兄カンタンに連れられ1週間パリに滞在する。初めてのパリで刺激的な日々を過ごす中、兄の友人である年上のアーティスト・リリオと出会い心優しい彼に惹かれるリュカだったがリリオはある秘密を抱えていた…
ストーリーはこんな感じ。
フランス語の原題は日本語では"男子高校生"って意味らしい。
17歳で父親を亡くすってのは早いよね。
自分が父親を亡くしたのは20歳になる前の事だったな。まず父親が亡くなった実感がわかなかったな。母親や姉がショックで立つことさえ出来ないぐらい体から力が抜け泣きっぱなしだったのに、何故か涙も出ず1人葬式の打ち合わせなど淡々にこなしていたもんな。実際、目の前に父親の遺体があるのに、何か夢での出来事ぐらいにしか感じでいなかったのかもしれないしね…
リュカも多分、そんな感覚だったんだろうな。夜中、寄宿舎で眠っていた所に担任が現れ、父親が事故に遭ったと知らされ迎えに来た兄と病院に向かうことに。
でも着いたのは自宅。そこで初めてリュカは父親が亡くなった事を知るんだよね。
そして集まっていた親戚に向かい「元気?」って尋ねる。混乱してるのが解るよね、だって「元気?」っておかしいもんね
そして、父の葬式を"行事"って感じて参加しないだもんな。結果、リュカは対面しサヨナラも言うこともなく別れてしまった。
一旦、心の踏ん切りをつけてないんだよね
だからパリに行ったときにああいった行動に出てしまったんだろうなぁ…

作品の前半はそういう感じ。なんとなくリュカはゲイなのかなぁ?って思っていたところに、衝撃的なシーンが…
コレが結構生々しかってなぁ。こんな感じの作品って、ゲイで有ってもキスシーンぐらいだったもんな描かれていたのは。
何でR-15なんだろうとは思っていたんだけどねぇ…
そしてパリに行ってからリュカの心の支えになるのがリリオ。弟をパリに連れてきたくせに面倒は見ない兄と比べても断然優しいもんな。そりゃリュカが惹かれるのは解らないでもないしね…

よくある"ボーイズ・ラブ"的な作品よりも一歩踏み込んだ感じだよね。多くの作品がサラッて描いてきたところもちゃんと生々しく描いてるんだから。だからリュカを演じた役者は大変だったんじゃないかな。
観る人によって、好き嫌いがハッキリ分かれる作品かも。リュカの行動に共感が出来ないかもしれないしね…
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