クリムゾンキング

ドラキュラ/デメテル号最期の航海のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ロンドンに向けて出港したデメテル号で謎の密航者が見つかって以降乗組員が一人また一人と消えていく!
謎の積荷が怪しいと踏んで開けてみたら土塊だった!
一体何が起こっているのか?!

映画版のドラキュラで大体飛ばされる「ドラキュラ伯爵ロンドンツアー御一行様」の章を映画化した作品。

伯爵様の見た目はコウモリ人間とオルロック伯爵(吸血鬼ノスフェラトゥ)を足したような感じ。

映画的に改変されているけど、序盤で「ドラゴンの印だ!俺は知ってる!」と不気味がる船員とか夜の帳が下りてから犠牲者が一人一人と出るあたりとか終盤の霧の立ち込める船とかホラー要素が満載で良かった。

グロテスクな描写は少ないけど結構雰囲気も好きだし、なによりラストのドラキュラを追いかけていく展開とそれを嘲笑うかのように姿を現し杖を鳴らす伯爵様の圧倒的強者感がたまらない。

ちゃんとドラキュラを恐怖・憎悪の対象と描き光の側の人間として立ち向かっていく終わり方が非常に良かった。
本当に「真実の愛」とか言ってドラキュラをしみったれた惨めな小物として描いた某コッポラのドラキュラ映画はこの作品の爪の垢煎じて飲んで欲しい。