泣いた…佐藤浩市が素敵過ぎるんだもの。
…前半は後半に向けて必要なものと理解。
一年も父からの電話に出ないコロナ禍で映画監督人生いきなり正念場の末娘と父、兄二人と消えた女こと母の物語。
石井裕也監督&脚本の作品やっぱり好き。
言葉が丁寧で愛しいものばかり。暖かくて優しくてなんだかフワフワと笑ったり涙していたら…幸福感の高いアッという間の二時間超だった。
どの作品にも共通している気がするのは、底なしの善意とか利他の精神とか打算のない愛情とか…色んなものを探して少し見つかったとしても、そんなものは世の中には圧倒的に足りていないか存在しないことに気づいていたりもして…
それでもまだどこかにありそうな気にさせてくれるところが大好き。
タチくんは本当に魅力的なキャラクター、あんな風になんのしがらみもなく誰かに好きって言ったり、ハグしてあげたりできたら素敵だななんて。
損得や意味、必然性のないことって確かに今の世の中では無意味なだけなのかもしれない。シャレがわかるとか空気が読めるとか…みんな何か演じてるに決まってるって確かにその通りだと思った。
1,500万円のお金もエピソードも感慨深い…必要なところ、必要としているお金はいつもないんだなぁ。でも必要以上に持っていることより、必要な分だけのお金を求め続けていた方が人生は豊かかもしれないけど。
中盤の家族のダメっぷりからのお父さんとお母さんの隠された過去と真実。
テーブルに置かれたケイタイ、食堂でのやりとり、マスクをつけあう家族、それからハグとか停電とか。
クソダサいシチュエーションは沢山あったけど、松岡茉優ちゃんと池松壮亮クンと若葉竜也クンが超絶カッコよくて泣けるシーンにしてくれた。
悪い思い出は全部忘れて、良い思い出しか覚えてない…そういう人生を送れるのはとても良い人なんだろうし幸せな事だろうな。
芹澤興人さんのマスター最高だったな、防犯カメラ映像でのキスの確認とかめっちゃ笑えた。
あとは、窪田正孝クンてマイ・ブロークン・マリコでとっても不思議な俳優さんだと思ったけど。本作では魅力全開な感じ。
久しぶりに『ぼくたちの家族』も観たくなった。