面白かった
超絶ミニマムで使い物にならなかったが、ここでは最大の効果で無限大に出現するアベノマスク
佐藤浩市父が手にしてるマグカップが「I❤️Manchester」だったのを見てこれはデキる映画と確信
Parisでも Londonでもhawaiiでもなくマンチェスターとは分かっている
フランス映画のように赤が効いた画面
電気からぶら下がる紐(昭和感)
小物に手を抜く映画に名作なしと常々思っているので、映ってるかどうか分からぬ程度の小道具でも登場人物の世界を形づくるべく存在しており、こんなんこの主人公が使うわけないわーというのは萎える
どうも評判悪い前半も自分には面白く、赤いバー(戸川昌子の青い部屋みたい)での不器用な二人の小さな恋のメロディも、あの現実のコテンパン感がないと活きてこない
佐藤浩市父が全てを語らず見せずに生きてきたように、助監督もMEGUMIもあのような生き様になったのも、また隠されたその人の人生があるだろうと
「何となく」では予算もおりないし、上からここ絶対攻めて来られると言うポイントで説明出来ないと仕事通らないのも現実ではよーーーーーーう分かる、ので、2人をそう悪くは見られないとこともある(でも飲み会現場に人ん家使わずビール代払って)
だがしかし、だがしかし
心の底からメラメラわきあがる「今だ!これなんだ!」というエモーションとパッションを主人公のように「なかったことには出来ない」方がよーーーーーく分かる
まさにイナズマ、愛にイナズマ、ゲッチュー
映画を見ながら途中で、これはまさに今の時代感の感覚で、コロナ禍の鬱鬱した空気、その後の空気、個人的にツボで何度も吹き出して笑ってしまったカルト発言とだから韓流に負けるんだよ!とやたら出てくるウィキペディア、アベノマスク、コロナ自治警察の中学生
最高に今の映画で面白いけども、何年後、何十年後に見たら果たしてどう感じるのか?と疑問が湧き「やだねったらやだね〜あたしゃ助監督か」と自分の中の助監督部分を認識
恐らく監督はそれでも「今!」というエモーションでこの映画を作られたのだろう
分からんけど
登場人物全て上手い役者さんばかりでストレスフリーで見られる
中でも感情をぶちまける家族の中で、そこにいるのに存在してないような不可思議さで、フワフワ漂いながら家族の接着剤となる窪田正孝の精霊感
コロポックルなのか座敷童なのかという絶妙な不思議感
針に糸通すぐらいの絶妙なコントロールの芝居で、さりげなくどえらい高度なことをやってのけてて流石
さらりとやりすぎてて凄さが分かりづらいかもしれんけど凄いと思う
長くなったがまあ面白いということでしたわ
底の物をぬおおおおーと重量挙げのごとく持ち上げるような歌唱法の宮本浩次の歌声とエレカシも映画にぴったり