絶妙にへんな空気感でおもしろかった。
殺しすぎて殺されすぎてお互い慣れていくというのはかなり斬新。死にすぎて慣れるはループもののあるあるだけど殺す死ぬの両者感の関係性ができあがっちゃってるのは中々無いおもしろさだった。
毒入りコーヒーを飲ませようとしてるのに疑われてあげるよと渡されちゃったりする下りや、やり過ぎて慣れてきたから普通にしゃべり相手になって『やっぱ殺さないとダメみたいだわ』と言って『あーははそっか』て笑い合うのがシュールでたのしかった。
好みとしては後半もっと2人の関係性がドライブしていくと(ループを抜け出すためにシステムの粗を見つけようとするとか)ワクワクしたけれど、テーマ的には多分赦しが根幹なんだろうからこの位ゆるっと終着していくのがいいのかもしれない…とか思った。彼にとってはこれでいい。実生活に戻ると、まぁ犯人が生きてても死んでても許せる人間になってそうだしな…
ただ映画は理屈じゃないからやっぱりなにか勢いが欲しかったなと思い直す。
伊勢谷友介の枯れ具合にびっくりしたけどいい味出してて、最初は気づかないくらいだったが、彼が最後の一日をなにか残したいと思って木の模写を始めるところとか凄い素敵だった。あのシーンは彼の絶妙に焦ったような形相も相まって大好きだった。
あとボーリングいってもう今日は遊ぼ!と仲良くしてると無理矢理体が動いて殺しに行かされるシーンもこの世界観の転換点としておおっ!?と惹かれた。融通が効かんサービスですこと…
彼女が一般人じゃなくてなにか政府の闇を握ってる風だったことや、そもそもこのループを提供してる施設やサービス機関のきな臭さなど謎が残ったままで、全部明らかにしないのはいいとしてもう少しなにかそれが生きないのだったら彼女は一般人でもよかったのでは?とは思ってしまった。