なすび

乱れるのなすびのレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
5.0
何だこれ……こんなにすごい映画にかつて出会ったことがない…衝撃すぎる…もうなんか別次元すぎる…この映画にのめり込みすぎて途中生きている感覚を失いそうになったくらい……なんだこれ…今頭を棍棒で殴られたかのような気分です

パクチャヌクの「お嬢さん」の秀子はこの映画の高峰秀子から来てるものだと知り、興味が湧いて見てみました。

前半はなんてことない話が進みます、はっきり言ってこの映画地味だなぁと思うくらいです。しかしある時点でついに高峰秀子が乱れ始める、そこから乱れが激しくなり、目が離せない…また一旦落ち着いて、激しくなり、落ち着いて……そして、ついに最後乱れが頂点に達する。見ているものの息を奪うような高峰秀子の演技、衝撃です。衝撃です…

この映画の高峰秀子は凄すぎる、私は小津の「宗方姉妹」での元気でお茶目な姿しか見たことなかったので心底驚きました、これが同じ人間なのかと。別人です…彼女は派手な美しさはないし目立つようなタイプではないんだけど、地味な中に一筋の美しさがあって急に女であることを意識させられる。ドキッとする。本当に美しいひとでした…

更にみんな大好き()加山雄三がめちゃーくちゃー心を乱してくる。若大将らしい気さくで飄々とした姿を残しつつ今回は「姉さん」を一途に思う気持ちや真面目さに男の色気を纏っています。こちらも普段弟としか見ていなかったのにある時急に男に見えるようなところにドキッとしました。全国の年上ファンがこんな加山雄三に心臓持ってかれたのではないでしょうか?(私はキュン死にでした)加山雄三好きだなぁ、まずもって話し方が独特すぎる、なんか邪気がなさすぎる。

そんな2人がお互いを意識し始めた頃からのシーンが堪らない…本当に監督は恋の始めの人間をよく知っていると思った。
そもそもタイトルの「乱れる」ってとても良い、乱れるってねぇ

ファーーー!!!!マジですごかた、、、ファーーー!!!!!マジよかた!!!ファーー!ファーー!!成瀬監督の他の作品も見てみよう。
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