私のAVVENIRE

駒田蒸留所へようこその私のAVVENIREのレビュー・感想・評価

駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)
4.5
仕事を通じて後世へその想いを伝え継承していく…これはまさに"人の本質"とも言える営みであり、それを描いた素晴らしい作品。これを「お仕事もの」等のような軽い言葉で纏めたくないという気持ち。
ウィスキーに携わる人達の苦悩や情熱を描く。駆け出しライターの無気力感は「やりたいことが特にないけど生活のためにとりあえず働く人」に大抵通じるものではないだろうか。私自身そうだったし、よくある光景で非常に親近感あるものだった。元々やりたいことを仕事にしてる人なんてほんの一部だと思う。経緯は何であれ、続けていく中でいつしか熱意をもって取り組むようになる姿は何時の時代でも格好良いし清々しい。

実写案件とか実写でやれ、等というのはただの思考停止、もしくはアニメーションに対する諦めでしかない。現実感ある題材と人間ドラマを非現実感あるアニメで表現する。この化学反応で生まれる独特の感覚こそが私を魅了する。本作もまたそういう作品だった。こんな想いと味のあるアニメがもっと増えてほしい。過去から未来へと受け継がれる想いに、熱い涙が頬をつたった。
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