おれんじ

四月になれば彼女はのおれんじのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

Filmarksの試写会
川村元気さんと山田監督のトークイベントに参加させて頂きました。
貴重な機会をありがとうございました。
原作未読です。

印象的だったのは、森七菜さんのまっすぐ届く心地よい声とまっさらな透明感。
それにより冒頭から引き込まれました。

ウユニ、プラハの天文時計、ブラックサンドビーチの景色はどれも幻想的で、一瞬で目を奪われました。
(山田監督、しっかりやられました)
強い意志を抱いたハルの表情と存在感は、ハッとするウユニ塩湖の白さに負けないくらい、眩かったです。
旅行が好きな方、森七菜さんが好きな方は特に必見です。

好きなシーンは、藤代とハルが土砂降りの中雨宿りしている時の会話。
藤代からハルへどんな写真を撮りたいの?との問いに、雨のにおい、街の熱気、人の気持ちとか....と答えたハル。
それは、目には見えないけど、そこに確かにあるもの。
そんな風に考えた事なかったと感嘆したように答えた藤代。

この時初めて、藤代はハルの内面や人柄に触れたように感じました。
相手の好きなもの、大切にしている事、感じているもの、見えているもの、それらを通して、2人の距離がグッと近づいたように感じてとても好きな場面です。

また私がイチオシしたいのは音楽です。
役者さんの表情や、監督の撮る角度もとても良かったのですが。
登場人物が真正面から映っていない時でも、場面音楽により、きっとこんな表情しているんだろうなぁ、今こんな気持ちなんだろうなぁという想像を一気に掻き立てられるのです。
小林武史さん参りました。
そして、藤井風さんの主題歌。
エンドロール、最後の最後まで浸ってほしいです。
川村元気さんと山田監督も仰っていたので歌詞も読みましたが、読んでから映画を見るとより一層深みを増します。

物語全体を通しては、登場人物に共感できない点もあれば、こんな気持ちになった事があるなと、自分の感情を引っ張り出した時間でもありました。
自分より大切なひとがいて、すべてがうまくいくと思えた。そんな強くて脆くて、底抜けにまっすぐな思いを抱いていたなと。

そんな昔の恋を思い出すきっかけにもなりますが、今向き合いたい相手がいる方、大切な誰かがいる方はぜひご一緒に観てほしいと感じました。
おれんじ

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