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四月になれば彼女はのかのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

映画館で観てよかった、まず映像が美しかった。
ウユニ、行きたくなった。ああいう美しい景色を生で感じて五感を満たしてみたい。夢だ。

冒頭の森七菜ちゃんの手紙を読む声と、ウユニ塩湖の白い水面を歩く絵で一気に惹き込まれた。七菜ちゃんを後ろから撮っていた画角で、監督の絵の撮り方のこだわりを感じた。雲の浮かぶ空が写りつつ、歩くことで揺れる水面の動きも美しくしっかり捉えられていた。光、風、湿り、温かさ、冷たさ色々感じた。


やっぱり森七菜ちゃんって素朴の中にとんでもない光るものを持ち合わせている感じが魅力的。
長澤まさみさんはほんと、いうまでもなく美だし、お芝居も好きだったなあー
舞台挨拶の時の衣装、ヘア、メイクめっちゃ似合ってた可愛かった。その時のほんわかした雰囲気を纏ってるのも素敵だった。
佐藤健は森七菜ちゃんとの年齢差をそこまで感じさせないのがすごいなと思って見てた。あと舞台挨拶の時の耳の黒ピアス(?)がかっこよさを際立てていたし、芝居をしてない時の素が人間として魅力的だと思った。役柄と普段見せる人間性が近しくなくみえたからこそかな。舞台挨拶の立ち居振る舞いがメイちゃんの執事と重なり思い出して勝手にきゅんとした。

3人とも涙するシーンがそれぞれにあったけれど、その一粒が流れるタイミングや流れるまでの表情ががすごすぎて、色々な心情を想像したし、魅了された。

春の、写真で、その場の熱気や、雨の匂い、人の気持ちを記録したいって台詞と私は私に会いたかったって台詞がとても好きだった。
そのほかにも観劇後に心に残る台詞がいくつかあった。

ストーリーは、観るひとに考えさせる時間が多かった気がする、ところどころにヒントが散らばっていて。それを自分なりに解釈して観れる感じ。

あと仲野太賀と竹野内豊さん好きだーって思った。2人が映し出されている時間は長くなかったけれど、ちゃんと意味がある時間だったし、記憶に残ったし、その短時間で魅了された。

2時間あったけど今までみた映画の中でいちばん体感早く終わったかもってくらいもうエンドロール?っていう感覚だった。自分に刺さる好きランキングに入り込む感じではないけど、それだけ時間を忘れて夢中にさせる映画って今あんまり多くないと思うから、単純にすごいと思った

音楽、結構よかった。
はじめの方で流れる音(pale spring)は特に好きだった。何かが始まる、溢れるような思いにさせられた。登場人物たちが心からの本音を恥ずかしさまじりに漏らすように見えたシーン、音がつくことによってより一層溢れ出るものを感じた。
早朝に待ち合わせして、朝日を高台?からみる2人のシーン、台詞と一緒に意味ありげに音楽が流されているように感じた。最後の海で抱き合うシーンは、もう少し別の音楽でも観たくなったのが本音。
エンドロールの藤井風は最高でたまらなかった。どの歌詞も刺さったけど、映画を観た後にいちばん刺さるのは「愛される為に愛すのは悲劇」かな。

あとは空、情景も意味を持たせている気がした。天気、明るさ、朝なのか、夜なのか。
シーンに様々な空が映っていたように思う。

観終わって、恋とか愛とかについて誰かと話したくなった、そんなきもち。

誰かの幸せの裏には誰かの苦しみがつきもので、世界はばらばらなんだと改めて感じた。
好きだった気持ちや、恋が解けていく感覚ってコントロールできなくて自分自身も、相手もとても恐いんだなって観ながら思った。
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