まるみ

四月になれば彼女はのまるみのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 「愛を終わらせない方法、それは何でしょう?」「それは手に入れないこと」、弥生の言葉が鋭く胸に突き刺さります。それは、自分もその通りだと心底気づいているからです。だから、彼女が結婚式を行うチャペルを見学したその夜に、婚約者の俊のもとから姿を消してしまう気持ちもよく理解できる。彼女が俊の元の恋人春のもとを訪ねるという展開はちょっと強引でしたが。

 熱情に溢れた恋愛感情が永続しないことは、もう誰でも気づいています。だから、現代社会において「結婚」という形態を選ばない人が増えているのも、当然なことなのでしょう。でも、人はそれでも人を好きになる。熱情はいつか冷めると知っていても、愛する人と一緒にいたいと願ってしまう。それは決して悪いことではないでしょう。

 春が手紙に書いていたように、「選べなかったけど、選ぼうとした」「自分よりも大切な人が確かに存在していた」、その気持ちこそが尊いのだと、今の僕は思っています。
まるみ

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