ねき

四月になれば彼女はのねきのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

明言されない事が多い映画なのかなという印象。観る度にメッセージが見つかるのだと思う。愛を終わらせない方法は手に入れない事というセリフがこの映画のメッセージなのだと鵜呑みにしてはいけない。

弥生と同棲している俊がピアノを習い始めた事を知らなかったり
同じ寝室で寝ると思いきや、自分の部屋に行ったり
後になって気付く違和感。

《人間ってのは憎んでいる人より
そばにいて 愛してくれる人を 容赦なく傷つける》というセリフがあった。
このセリフのように無意識に傷付けている事がある、愛はずっと注がなければいけないし受け入れなければいけないというメッセージを受け取ればなぜ明言されない事が多かったのかということに納得がいく。
無意識の内に愛する事を面倒くさがりしなくなるのだから。気付けていればこんな事にはならないのだから。と、映画を見た後でわかった。

ペアで使っていたワイングラスの片方が落ちて割れるシーンが何度も繰り返される。
観ている時はわからなかったが幸せを怖がる弥生の、愛を受け入れる器が壊れた事の比喩なのだと納得した。

たいやきを頭から食べる春と尻尾から食べる弥生のシーン。
自分と正反対な春からヒントを得るために、弥生は春に近付いたとわかる。

春は変化したいのに、チャンスはあったのに、選択できなかった事を悔やみ続けているが
一方の春からヒントを得た弥生は、変化のために選択ができた。春なしではこの選択はできずに同じ事を繰り返したのだと思う。
ねき

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