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四月になれば彼女はのmのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.8
"純愛"というテーマに隠された
人を愛する事の難しさと現代人の恋愛観が裏テーマな気がする。

最終的に「うん、で?結局愛
はなんなの?」と感じたけど、それをこの映画で求めてはいけない気がしたし
多分愛って奥深すぎて一生かかっても答えが見つからないものだと思う。

そもそも愛=恋愛に繋げるのもいかがなものかと
だから余計人は恋愛に振り回され、よく分からなくなっていくんだと思う。自分含め。

少し純愛を正当化しすぎてるようにも感じた。

ただ、ハルとの手紙のやり取りには今の時代には無いものがそこにあった。

色々なことが便利になる世の中で、気軽にSNSだけで新しい人と出会うことができる。
相手のことをどれだけ知ろうとするか、相手とどういう関係を築いていきたいのか
そこを考えるよりも単純に出会いを求めている人の方が多いと思う。
何事も、デジタルとは離れた視点を持つことが大事。

ハルとハルの父との関係性には恐怖すら感じた。
ハルの父は恐らく去っていった奥さん(ハルの母)の面影を娘に重ねいてるだけ、完全なる共依存状態。(恋愛でもよくありがちなパターン)
この竹野内豊はちょい役なのに途中スリラー映画になったのかと思った。

ただ、ヤヨイの気持ちはすごく共感したなあ。
幸せなほど辛くなるって多分恋愛だけに当てはまることじゃ無いと思う。
家族や友達との大事な時間、自分だけの楽しい時間
そしてそれって生きてる時に感じる幸福感と死への恐怖と一緒な気がする。
自分のために人が集まってくれるのが、結婚式とお葬式って考えはとても良い。

結局この世に本当の愛は存在しないってぼやきたい捻くれ者にはちょうど良い映画。
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