とさか

仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインドのとさかのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ファイズ本編完走後、一日も経たずに見に行ったので長年待った人とは違う感想だと思う。

俊樹に関してはドンブラとアギトは履修済みで彼がどういう脚本家なのはある程度は理解出来ていたが、どうしても50話見終わった直後なのでファイズというテーマの完結を期待してはいた。
俊樹がそんな事をするはずもなく、一貫してキャラクターのパーソナルな部分を深堀し、重厚な人間ドラマとして仕上がっていたと思う。まぁソレも好きやしいいんだけどね。

尺がそもそも短いので、重すぎるという事も無かったが人間ドラマ中心にするならするで、もう少しドラマパートを長く取っても良かった気がする。中盤の戦闘は目新しかったが少し退屈でもあった。
が、以外にも新生ギア達はしっかりと描写されていてミューズのAI予測や最新アクセルフォーム等ちょっと玩具が欲しくなってしまう。(ほぼアクセルのシーンはモモタロ斬だが)

肝心の人間ドラマだが、俊樹お得意のドロドロ人間ドラマが遺憾無く発揮されていた。
巧(イケおじ)に心酔する少女、玲菜(ミューズ)と彼女の嫉妬により遂にオルフェノクに覚醒してしまった真理らが織り成す三角関係。
テレビシリーズでやっていたら20話くらい拗れそうな内容だ。
歳で丸くなったのか、かなり素直になった巧が、同じく苦悩を身を持って知る事になった真理に弱い部分を見せ、お互いの気持ちを確かめ合う(ギャグシーン)
その後の「誤魔化してる?」「あぁ誤魔化してる。」が言語化しづらいけど凄く好き。

コメディも20年前の雰囲気にしっかり寄せていて、ファイズの続編ではなく、もう一度ファイズという概念を楽しんで欲しい。というのが制作陣の本音なのかなと感じる。
草加と北崎さんの正体を伏線込みでしっかり描いたのは意外だったが、そのネタはファイズではなくドンブラ寄りだろ…とも思う。

まぁファイズの雰囲気や人間関係を楽しみたい人は絶賛できると思うし、オマージュも沢山あるので新参でも楽しめました。
とさか

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