パラダイスリゲインドキラー

仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインドのパラダイスリゲインドキラーのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

ツイッターを筆頭に「復活のコアメダルにはならなかった」だの「ラーメン頼んでラーメンが出てきた」だの「最高の映画だった」だのいけしゃあしゃあと大絶賛だったようなので、安心(油断)して意気揚々とのこのこ映画館に繰り出したところ



「俺は一体何を見せられているんだ・・・?」




錆び付いた鉈で胴体を横半分に時間かけて真っ二つにされるような最悪な気分になりました
スパッとやってくれたらいいのによサイガみたいによ

正直スコア1もつけたくない気分だ。はっきり言って復活のコアメダル以下としか言いようがない。
突っ込みどころが多すぎるので順に文句を言って行くと



まずデルタの扱いが悪すぎる。三原が出ないかと思いきやぽっと出知らん奴が変身し、大した活躍もなくそいつは灰化。その後一切使われることなく出番終了。
本編では臆病ながらも必死でナイスアシストを決めてくれた三原デルタ、圧倒的な力で巧草加をねじ伏せてた北崎デルタ。見る影もなく新ライダーミューズのかませ犬になりました。どうしてくれんのマジで
他のオルフェノクの仲間はその後も戦闘シーンがあるのに誰一人としてデルタを使わない。せめて海堂あたりに使わせてやれよ三原とあんなに共闘してたろ。



そのデルタを踏み台にしたミューズに変身する新キャラの胡桃玲菜もこれまたひどいキャラクターである。どうやら人間のようであるがこいつが何をしたいのかが一切わからない。草加を女にして煮詰めたような性格と言っていいほどに性格がアレ。
物語の前半では巧と共にオルフェノクの処刑人として真理達に立ちはだかる。どうやら巧に気があるようだ。敵対してるとはいえ巧が真理と親しげに話しているのを見ると真理を誘拐し、オルフェノクの因子を活性化させてなんと真理をオルフェノクにしてしまうのだ。(オルフェノクになれば恋敵である真理を処刑する口実ができる為)何してくれてんの?
ここまではいい。いやよくない。よくないのだけど後述しよう。
その後巧が真理側に寝返り、胡桃は巧を馬鹿な裏切者として処刑しようとするのだが、「行ってください。どうやら私も馬鹿なようですわ」と脈略もなく改心して二人を見逃そうとする。なんなのこいつ情緒おかしいの?
その後ラスボスのサイボーグ北崎に体を貫かれて爆散する。こいつなんだったの?



そしてオルフェノクになってしまった真理だがオルフェノクの本能に飲まれそうになって仲間を襲ったり、それを気に病み自殺しようとしたりしてなんやかんやで巧に介抱される。
そこで巧が真理に弱みを見せる。巧が処刑人としてスマートブレインについてた理由を要約すると「寿命で死ぬのが怖くて死期を遅くするアンプルが欲しいから」である。

「君は何故人間にこだわる?オルフェノクとして生き、王の力を受け入れれば、死の運命から救われるのに!君は死ぬのが怖くないのか!?」「怖いさ…だから、一生懸命生きてんだよ!人間を守る為に!」
本編最終回で自分の死を覚悟してでも精一杯戦ってきた我らがたっくんはどこへ行ったのか。
一応「オルフェノクは人間に危害を加えるからぶっ殺そう」という建前で動いているから先のセリフとは矛盾しないのだが、巧は自分はもちろん海堂や木場、長田や蟹の人のような人間でありたいオルフェノクがいることを認知しているので彼らのようなオルフェノクも一様に始末することは本編の彼の道のりを否定する行動をしている。心が弱ぇんだ。

そんなこんなで自暴自棄になった巧は真理に泣きつくのである。情けない。こんな巧見たくなかった。
そんな巧を慰めるように真理は巧を抱きしめ




そのままオルフェノク状態でディープキス、セックスに突入



「俺は一体何を見せられているんだ・・・?」

本編や映画であんなにかっこよかったウルフオルフェノク(筆者も思い入れがある)がやたら迫真な表情でセックスしてる。なんだよこれなんで銀幕フルスクリーンでオルフェノックス見せられなきゃいけねぇんだよ。

真理は序盤で草加の肩に頭を寄せたり、草加のキスを受け入れようとしていた描写もあったのにいざ巧が帰ってきたら彼に鞍替えしたのだ。
なんで女のそういうところをリアルに描くんだよ。生々しすぎるんだよそういうの



そして草加の執拗なまでの尊厳破壊。今作では序盤から草加は復活参戦しており、真理達と共にオルフェノクを守るために戦っていた。
新型ライダーのミューズに対して旧型のカイザで互角に立ち回っていたところは正直めちゃくちゃかっこよかった。ここだけは唯一この作品で評価できるところである。
しかしなんとその正体はスマートブレインが作った草加のアンドロイドである。
いやそんなこと言われても。
因子を埋められた真理はやがてオルフェノクになる可能性があるので、真理がオルフェノクに覚醒したら彼女を殺すプログラムが仕込まれていたのだ。
それまでは真理のことを気遣ったり、草加なりに乾を仲間だと思っていた描写があったり他のキャラクターともうまいこと馴染んでいたので草加も年齢を重ねて成長したのだと筆者が感慨にふけっていたらこの仕打ちである。
そしてそのまま意識は戻らずにラスボスその2にされる。なんだよこれ
草加の扱いを悪くすれば面白いとでも思ってんのかよ。あんま舐めんなよファンをこちとら20年ぶりだからってよ

あれやこれやと最終決戦
ネクストファイズVS北崎ミューズ
ミューズにはどうやら未来予知機能があるらしくそれを駆使して敵の攻撃をかわし、デルタやオルフェノクを葬ってきたのだ。
それに倣いネクストファイズを撃破する。
その後菊池啓太郎の甥である菊池条太郎からいつもの旧型ファイズを渡される。
どこからともなく表れた草加ネクストカイザが「今更旧型に変えるなんて勝負を捨てたのかな?」と挑発。旧型と新型ではスペックが段違いなことが示唆される。


そしてファイズVSミューズ&ネクストカイザ


結果ファイズのボロ勝ちである。

なんで?

急に「動きが読めない...!!」と宣うミューズ。なんと旧型のファイズの攻撃が予知できない理由は一切明かされない。
それにしても新型に比べ基礎スペックが劣るファイズで1対2で圧倒するのは違うだろと
確かに旧型ファイズはサイガやクロコダイルオルフェノクといった強敵を下してきた実績はあるがそれはどれも巧の戦闘センスによるテクニカルな技で相手のスキを付いた勝利であって、決してフィジカルのごり押しではないはずである。サイガに至ってはアクセルフォーム抜きでは倒せなかった。
それを特に理由もなくただただ圧倒するだけ。納得いかねぇ!!
ネットのみんなは旧型ファイズの戦闘がかっこよかっただけでも満足と言ってましたがね、僕はもう萎えきってそういう楽しみ方もできませんでしたよ。
旧型が新型に勝つ熱い展開は王道ではあるが、それは大抵何かしらのカラクリがあったり、新型装備がなかったからといったファクターがあるのだ

なーんもねぇでやんの。なんだこれ最低限の説得力は出してくれ




頼む!!!!!!!




そしてエピローグ
巧や真理、仲間たちが食卓で団欒して話が終わる。
巧と真理はどうやら結ばれたみたいだが正直パラロスや異形の花々、本編を通してこの二人が恋仲として結ばれるのは解釈違いである。
あくまでともに歩んでいく仲間のような感じが良かったのであからさまにいちゃつかれるとなんか違うってなる。草加が浮かばれない。
この二人の今後の関係は想像にお任せくださいと思わせるくらいがちょうどいいと思う。
そもそもオルフェノクである巧と人間である真理が手を取り合うという構図が人間とオルフェノクの共存を表していたのでそこがよかったのに真理がオルフェノクになってしまったらそれが台無しになってしまうのがいただけない

それでこの食卓のメンツだが巧、真理、海堂、あともう一人女、条太郎で卓を囲んでいたのであるが

なんと人間は条太郎一人である。



真理「あんたもオルフェノクになっちゃえば?その方が戦力も増えるでしょ」



いやいやいやいやいや

いくらなんでも行っていいことと悪いことがあるだろ。デリカシーなんてレベルじゃねぇぞ
死ぬかもしれないリスクがあるガチャを強要するのは控えめに言ってハラスメントだよオルフェノクハラスメント。俺なら訴訟するぞ
オルフェノクと人間の共存を謳う奴のセリフじゃねぇ!なんならもうオルフェノク優生思想だよね。「オルフェノクとなった人間は心まで腐っていくんだ」という草加の言葉は間違っていなかった。


こんな締めで終わりかよ


復活のコアメダルとはベクトルが違うだけで正直どっこいどっこいだと思います。
どちらにしろ思い出はズタズタ
ハッピーエンドかバッドエンド、明るい雰囲気と暗い雰囲気
この違いだと思います。

景気が悪く震災や銃撃が起こる我が国が求めているのは明るいハッピーエンドなんですね
だからシナリオがおざなりでも雰囲気で高い評価をつける人が多いのでしょう。
当時子供だったファンも今や社会人ですからね。仕事で相当疲れているでしょう。
平成初期だったら多分復コアの方が評価されてたんじゃないですかね知らないけど