朱肉

仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインドの朱肉のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

やりやがったな、井上敏樹

20年前に感じた555らしさと20年経ったからこその変化や新規性を程よいバランスで実現されているそんな映画です。

【555らしさの継承】
ラスト、オリジナルファイズでばったばった倒していくのはマジで気持ちいい。
もちろん新フォームもかっこいいんだけど、当時からのファンとしてはこっちが観たかった!大感謝!
パラダイスロストに並ぶアクションの数々はファイズの戦い方が忠実に再現・継承されていて大満足の出来。
新フォームのアクセルでの複数クリムゾンスマッシュやオリジナルでの素早い武具の換装やらこれこれ!と言う感じです。
(なんでオリジナルファイズにはAI予測効かないんだよ笑)

キャストのいい意味でクセのあるセリフまわしは健在。
うわぁ草加…もう海堂ってば…なんて思いながらニチャニチャできます。
特に真理は当時そのまま!逆に言うと20年前、芳賀さんが15歳の時に演じた園田真理は当時すでに完成されていたのかと驚きです。

【TVシリーズからの変化】
大人になったファイズの登場人物たちの描写に最初は拒絶反応がありました。
結局は井上敏樹の手のひらの上ということで。
例えば真理と草加、巧との恋愛模様なんかはTVシリーズでは明確な描写(公式の回答)はなかった部分なので、より直接的に描かれるとすぐに受け入れるのが難しかったです。
巧と真理の関係は恋愛とはまた別の絆として紡がれたものと記憶していたのですが、今回男女関係に発展したと言う展開はある意味で時間の経過による現実性や人間味があるなと感じています。
真理に隙あらば密着()しようとする草加きもすぎて笑う(褒めてる)

真理がオルフェノクになってしまって自殺を図るシーンもオルフェノクの庇護を行ってきた経緯から矛盾するのでは?と感じましたが、「人間でいたかった」というセリフで一気に人間臭さが出て井上敏樹にしてやられたと思わされました。

【2024年の新規性】
ミューズ・玲菜はキャラ設定の時点で勝利確定。クールな人物像かと思いながら観ていくとめっちゃかわいい仕草や行動も多数。もっと観ていたい魅力的な新キャラなのにあっさりと残酷に退場。圧倒的な存在感と爪痕を残されました。

また海堂周りのオルフェノクたちは大人になったレギュラーメンバーとは対比的に「若さ」を表現していて魅力的でした。

(てか、いや待って、アンドロイドって笑)

欲をいうなら人間(政府)陣営とオルフェノク陣営の駆け引きをもっと観たかったと言うのと、現在の状況になった経緯を深く知りたかったです。
異種族間での対立、迫害、そして共存がTVシリーズから描かれていた1つの大きなテーマであったし、作品の魅力でもあったのでここがまだまだ描き切れてないのでは?と感じています。
結末としても北崎や草加は一旦はいなくなりましたが根本はまだ断たれていないので、まだ、先があるではと期待したくなります。

キャストや監督、脚本家など関わる人たちが愛情と工夫とをたくさん注ぎ込んで作られた作品なんだなと言うことがひしひしと伝わってくる映画でした。
本当にありがとうございます。
朱肉

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