20年ぶり。待ちに待った新作。公開初日、予約したのは一番前の一番真ん中。満員でした。
と、オリジナルTVシリーズの大ファンの一員として期待値が振り切れていた訳ですが、観終わった感想は世間での概ね好印象な評価とは少し温度差があります。そんな訳でここで正直な思いを吐露するかどうかかなり悩みましたが、記録として書き綴ることとしました。
まず、これだけは言っておきたい。20年という長い年月を経て、キャスト・スタッフが再集結するという奇跡、その難しさに挑戦していただいた全ての方に敬意と感謝を捧げます。
TVシリーズの乾匠は不器用で荒っぽく、素直じゃない。そこに優しさが垣間見えるところの隅の置けなさ。大好きなキャラクターの一人です。今作の半田健人は確実に演技に深みを増していました。台詞一つ一つの重み、声も昔より低くなって渋い。しかしそれが却って私の個人的な乾匠イメージとは乖離してしまったのでした。もちろん、今作の乾匠も紛れもない乾匠である事には異論はありません。なぜなら半田健人が演じているのだから。ただ、非常に勉強不足ながら、TVシリーズを終えた半田健人がその後どんな人生を歩んできたのか本当に触り程度しか認識しておらず、また作品内での20年も断片的にしか伝わらなかった。(60分という尺ではこれは仕方がないと思います。)詰まる所、作品内外での20年の時間経過を私の想像力で補完することが難しかったのです。
今作のドラマの中心にあるのは、匠と真里の関係です。たしかにTVシリーズでは、間接的にしか描かれなかったのですが、私にはそれがちょうど良かったのかもしれません。今作ではもう"匠と真里"を描くしかなかったというのが私の見立てです。草加はTVシリーズで既にあの状態ですから、正統続編を貫くとあまり深くは描き込めなかったと思います。啓太郎と長田が居ないのも痛い、そして何より、木場の不在。TVシリーズの要、もう一人の主役、木場勇治。一番好きなキャラクター。泉政行の早逝が悔やまれる。いや、だからこそ、フィクションの中だけでも木場の存在を感じたかった。
世間とズレた私の感想は以上になります。なんだかんだ熱くなってしまうあたり、やっぱり『仮面ライダー555』が好きなんだなと思います。
2024/02/02 1回目
【2024年42本目】
