Theylivebynight

世界のはしっこ、ちいさな教室のTheylivebynightのレビュー・感想・評価

2.7
若い同僚が絶賛するので観たが、啓蒙丸出しのナレーションが鼻につき、さらにそれがフランス語で繰り出されるので、否応なしにオリエンタリズムを感じざるをえず、好きになれなかった。正しい映画のようでいて(それもつまらないが)、これは全く正しくない映画で、オムニバスになる意味も、まったくわからない。会話の流れは自然なまま、映像だけはパチパチ切り替わる撮影/編集スタイルも、とくに思想や狙いのない、都合のいい切断としか感じられなかった。
何も映っていないわけではないし、シベリアはいいところも少しあった。子どもたちや先生の姿には真実もある。ただバングラデシュの児童婚は、一個人としてやめてほしいとは思うものの、ああして家族にレンズを向けることには抵抗が拭えない。「この人はかわいそうな無知な人です」と伝えて、何になるのだろうか。あの母親との対話なしに、被写体にすることの暴力には目をつむってよいのだろうか。
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