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ふたりのマエストロのxavierのレビュー・感想・評価

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)
3.6
父が生涯かけて掴んだオファーは息子宛の誤報だった…
ドニは指揮者としてパリのクラシック界で脚光を浴びているが、彼の父でベテラン指揮者のフランソワはむすこの活躍を素直に喜べずにいた。
ある時、フランソワの元にミラノ・スカラ座からの音楽監督就任の依頼が届く。その一方で、ドニがスカラ座の総裁から呼び出され、フランソワへの依頼がドニへの依頼の誤りだったと知らされる。夢にまで見たオファーに浮き足立つ父にどう伝えるべきか、ドニは苦悩する…
ストーリーはこんな感じ。
権威ある賞を受賞し、人気&実力も認められたドニ。そんなドニを祝う中に何故か父親の姿がない…
この時点でドニとフランソワが仲が良くない事が解る。
そんな状況にある父親と息子。
それなのにスカラ座のオファーが息子ではなく父親に…
息子は怪訝な顔をしながらも「おめでとう」と告げる…
なのに、これが誤報だったと知った息子はどうすればいいの?
いくら嫌っているとはいえ、喜んで浮かれている父親の姿を見ているのに"あれは、間違いだった"と言える?
そりゃ言うのを躊躇うよなぁ。
その前に、何故間違ったスカラ座がフランソワに電話しないんだろう?
いくら"デュマール"違いでバツが悪いとは言え、謝りの電話を入れるべきじゃない。それが普通だよね。
それなのに、息子に頼むなんて…

フランソワもおかしいと思わなかったんだろうか…とも思う。
いくら昔、良い指揮者だったとは言え
下り坂の指揮者にそんなオファーが…って思えなかったんだろうかね。
まぁ、それが長年の夢で"叶った!"んだと思ったら、そう思っちゃうかもね

ずっーと不思議に思ってたんだ、何でドニとフランソワは仲が悪いんだろ?と。
最初は指揮者も売れっ子となれば、各地の演奏会に飛び回るし、親と子のふれあいも限られてからなのかなぁ…と思っていたんだけど、まさかあんな理由だったとは…
でもドニは離婚したとは言え、息子のマチューとはいい関係を築いてるのに
何で出来なかったんだろうね、フランソワは。そこは観ていて納得は出来なかったかな。

それにしても、ラストの展開はビックリ!だったなぁ。あんなの見たこともない。普通はあり得んもんな。

フランス映画の人間ドラマの作品って
アメリカ映画のように"ここで笑わせる"とか"ここでは、泣かせるぞ"的な演出がなく淡々と進むよね。
個人的には好きなんだけど、エモさを期待する人にとっては物足りないかもねぇ…
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