パスカル

瞳をとじてのパスカルのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.3
なんて丁寧で誠実な映画だろう、とまずはそう思った。
登場人物の行動にまるで嘘がないし無理がないので、ああそうだよな、そうなるよな、そりゃそうだ、とひたすら共感しながら観てた。

やはり身体の感覚を大切にしている映画には特に納得感がある。何度も聴いた音楽は忘れない。もやい結びも忘れない。

ミゲルが人生に満足してるなら、フリオにあそこまで執着する訳がない。自分には見つけられなかった本当の居場所を彼は見つけたという妄想に取り憑かれるが、答え合わせはそう簡単にはいかない。だからこの映画は誠実だと感じる。
瞳をとじて。振り返り、妄想し、反芻する。
何故人は忘れられないのか。
何故人は忘れてしまうのか。

自分はこの映画を振り返ると、登場人物達の目を思い出す。
パスカル

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