IPPO

湖の女たちのIPPOのレビュー・感想・評価

湖の女たち(2023年製作の映画)
3.5
これは「文学作品の映像化」ということを念頭に見るべき一作…でないとついていけないのでは。

原作小説が好きで映画化が決まり再度読んだ……けど、やはり映像化だと一人一人の主要人物の行動・思考の「なんで?」が連発。原作も緻密には描かれてるわけじゃないけどさほど気にならなかったのに、映像化だと人物背景が不足し過ぎて消化不良。

そもそも福地桃子演じた雑誌記者は原作だと男。わざわざ女性に置き換えた必然が全く感じず…タイトルの「女たち」に合わせただけ、なんてことまさか無いよね?福地桃子は過去に何か抱えてるような空気全開なのに、匂わせだけで終わった謎。(薬害事件の被害者遺族なの?で?みたいな)

原作はもっとハルビンの731部隊と現代がリンクして残酷さと美しさが絡まり合うような世界観だったのだが…やはり難しかったか。

ほんで福士蒼汰は頑張ってたのだが、もっと体張ってなんぼだろうと思う。顔が綺麗過ぎて汚れがまだまだ似合わんのよね。本人の脱皮欲は買いますが。前髪ゆるふわパーマは違うんじゃないか!?笑

原作読んで無い人からしたら「結局なんなんあの男女、やべーやつらじゃん」で終わりそうで…原作ファンからしたらモヤモヤヒヤヒヤです。

※余談だけど三浦しをんの名作小説「光」の実写化、あれも原作の良さを分かってんのか壊したかったのかよく分からない作風で「全く面白くない」との声が噴出したのは有名。大森立嗣は文藝モノやりだがるけど「これなら原作ファンも納得だろう」という研究をして欲しい。監督の観念的な表現が強くなると駄作になる傾向。
IPPO

IPPO