りっく

奪命金のりっくのレビュー・感想・評価

奪命金(2011年製作の映画)
3.1
ギリシャ債務危機によって人生が狂わされた人々の悲喜こもごも。
金の世界で生き抜いていた人間たちはあっけなく命を落とす。
逆に運と決断力で成金になった人間たちもいる。
点在していた人間たちが、金によって線になっていく心地良さ。
ラストの切り上げ方の鮮やかさは、ジョニー・トーならでは。
物語的にはコーエン兄弟っぽいヘンテコさを孕んでいる。

ただ、前半の金融システムの説明が冗長だと感じてしまう。
しかも結局勝ち残るのは知識や経験ではなく、時の運。
だからこそ、前半の無駄な繰り返しが余計目立ってしまう。
カタルシスがなく、サラッと呆気なく終わってしまう作品。
個人的にはジョニー・トー作品の中で1番ハマらなかった。
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