トランスゲイ男性が主人公の映画自体あんまり無いと思うのでその時点で快挙。衣装も意味わからないくらい洒落てて、全員バカ高いブランド着てるみたいに見えた。
ただ編集のテンポ、垂れ流しの音楽、手持ちでフラフラした映像、ファンタジー表現のセンスとかがどうしても合わなかった。「厳しい現実→その打開」よりも「ちょっと先の未来」が見たいっていうのもあるので壁があってそれを乗り越えて、な脚本も今はあんまり見たくない。「自分たちはジャンル分けに興味がない」って話もそのジャンル分けに救われる人がいることを考慮してない感じがしたり「LGBTなんて言葉がいつかなくなればいい」などと宣う連中につけ込む隙を与えているような気がしてしまった。
またトシェクとレオンがいきなり仲良くなっているようにしか思えず、レオンがどう魅力的なのかもいまいちわからなかったのでもうちょっとキャラとしての掘り下げが必要な気がした。ファンフィクションの映像的な説明も妙にフワフワしていて作中での意義を感じづらい。カート・コバーンとなんらかの関係があるならそこまで作品内で示した方がいいと思った。
