囚人13号

ゼフィーロ・トルナー、あるいはジョージ・マチューナスの生活風景の囚人13号のレビュー・感想・評価

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画の美的価値を損なうとして16mmフィルムへの字幕焼き付けを許可しなかったメカス、しかし自分の拙い英語力では何か重要な言葉を聞き逃してはいまいかという不安に襲われる。

映像で綴った日記のような極めて私的な作品であるため、フィルグラフィー上へ正式な位置づけがなされるのかはさておきジョージがとにかくお茶目。ナレーションは恐らくメカス自身だろうが彼を人として好いてると分かる。

ただ近代の作品とは思えないほどフィルム感光と発色が悪く、まぁそれが狙いであったのかもしれないが…MV風の何層にも重なった多重露光はモンタージュにしては控えめ、音楽も無くただメカス一人の声が響くのみなので相互干渉が上手くいかず各要素が互いを引き立たせ合おうとし合った結果、作品自体が萎縮してしまったような印象。しかし韓国にも出向いているらしく、ナム・ジュン・パイクまで出てくる。
囚人13号

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