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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のSSのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

どうせありがちなお涙頂戴話だろと鑑賞前は思っていたが、悔しいことに後半は面白かった。
冒頭で当たり前のように悪口言ういじめっこがクラスにいたり、パートで昼夜働く母親に対してひどい言葉を口走ったり、自分たちの貧困さを他人の子供を救ったことで亡くなった父親のせいにしたり、関係ないとこでトラックに轢かれそうになったりと、個人的にはいるか?と思う部分が多々あった中でいきなり戦時中の日本へタイムスリップ。そこで特攻兵や兵士の食堂に助けられそのままそこで働くことになった。タイムスリップ後はいろんな特攻兵と仲良くなる半面、彼らが数日中に死んでしまうという事実に、敗戦する運命を知っている立場から強い反発を覚えるもどうしようもできない葛藤が描かれていたのが良かった。冒頭で父親にはいた「残された家族のことを考えないで英雄気取りかよ」というのが特攻兵と重なり、百合としては言ってほしくないという思いがより強かったと思う。
飛び立つ日に偶然彰からの手紙を見つけ最後に会いに行き、無事見送りを果たしたが、その瞬間手紙を見ることないまま現代に戻ったのは予想できなかったため一気に引き込まれた。
どうやって手紙を見るのかと思ったけど、資料館的なとこの展示としてみるというのは今までの感動モノではあまり見ないパターンだったため良かった。
しいて言うなら、彰も恋愛感情を持っているというのが物語の都合上しょうがないけど透けていたので、予告やこれまでのシーンで、彰が百合のことを本当に妹のように思っている描き方をすれば、手紙を読むシーンでめちゃくちゃ感動してたと思う。
冒頭の悪態をついたシーンはいるか?と思っていたが、現代に戻った後に人として成長した百合が母親に優しさを見せるとこがこれのおかげでより際立ったためあって良かったと考えを改めた。
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