となりの

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のとなりののレビュー・感想・評価

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ナミビアに続けてみた。
現代的な若者の表象の問題かと思ったので。

やはりと言うか、思っていた以上にかなりしっかり作られていた。

戦時下の日本の構造の問題に対して、百合はしっかり批判して、しっかりと憲兵に対して反戦を論じる。
戦争は悲惨だし、人がいたましい仕方で殺されるし、特攻は賛美されるものでない。
個人がよく生きることこそが肝要であり、なんとしてでも生き延びねばならないのに、それをそう思えなくなる社会のなにかに問題がある。
そこにすれ違いと歯痒さがある。犬死が繰り返されるテーマだ。

つまるところ、ラブストーリーは建前にすぎない。(そもそもほとんどラブラブしない)
戦争がどのように個人を変えてしまうのか、そして、個人は社会のなかでいかに生きるべきか、それが本作の問題意識であり、それをあらためて広く問いかけているだろう。
(絵作りの面で、色調補正で画面は終始暗く、ゼロ戦はハリボテでダサいのはとてもよい)

この、動画配信サービスが整い、ショート動画切り抜き動画が溢れる社会で、多くの若者が映画館に足を運んだというのはきわめて教育的だろう。
ただし、題材が題材だけに、容易に安直なイデオロギーに結びつきかねないのは事実である。

では、いかに戦争について語り、いかに映画を観てもらうのか、難しい問題だ。
そこを抜きに云々する映画好きは信用ならない。

また、言うまでもなく、福原遥さんがとてもよく、応援していた身として、立派になられて嬉しかった。
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