のわ

人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をしたののわのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

僕はその痛みを知っているかもしれない。


元アイドルで現在ライターとして活躍している女性は世間体を気にしながら、何とか暮らしている。仕事も恋愛も上手くいっていない彼女は何者でもない自分にとめどない焦りとなんとも言えなかい空虚感が漂っていた。そんな中でルームシェアの話が舞い込んでくる。お金のなかった主人公の安希子は少し悩むが悩まことさえ億劫になったていた。そして不思議な同居生活が始まる。本作は劇中でも言われた通り若い女性とおっさんの不思議な同居生活ではなく、彼女の再生の物語だった。病院で安希子が泣くシーンは僕はきっと話が合うと思った。その痛みは僕も知っている気がした。20代で自身が抱いていた大人像が如何に難しいか理解する。恋人は出来ないし、安定した収入は無い。このまま一人で生きていくのかとか不安になることは少なくない。友達に先を越される感覚も知っているし、無理して「おめでとう」って言うことだってある。他人に向ける感情が妬みや嫉みで構成される時期は確かにあった。そもそも幸せとはなにか、生涯を共にする伴侶や収入を増やすとか、それが幸せなのか。僕たちもそういう痛みを知っているから不思議と涙してしまうし、夢を持っている人がすごくキラキラ見えてしまう。辛いことは少なくないけど、それでも、必死に幸せをつかみに行く姿や、もがき苦しむ中で生きていく姿はとても美しかった。ただ生きてる。それだけでいいじゃないか。てきとうにね
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