たましろ

哀れなるものたちのたましろのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8
とてもよかった。
一見パッケージのかわいいお菓子に見える世界観が、「ただのかわいらしい色使いで華やかなもの」ではない、
自分以外の他のものに対しての興味をもっと掻き立てる「彩り」としてあったことがよかった。
そしてエマ・ストーン、すごい!
途中のくだりについては参考として鼻下長紳士回顧録をおすすめしたい。あとちょうどメゾンマルジェラ2024SSがリンクして見える感性でパチパチしてしまった








😷😷😷😷😷😷すばらしいとおもったことをわすれないうちに記録



美貌の痴人からこの二時間弱で
知識の高い、かつ他の人間を含む「世界」に対してこれだけ思慮を持った人間へと進化する表現が圧巻。

とにかく好奇心があること。元々の知能が高かったこともあるもしれないけど
他への興味、やってみたい!行ってみたい!触りたい!への探究心、劇中でいうところの冒険心があることが、哀れなるものたち、彼らの生き方をどれだけ違う人生にするか?という主題なのかと感じた。

この冒険心があったから、同じ10年を過ごすだけであっても全く異なる速度のある成長になったのかと思う。(二体目の彼女はそれを示してる)

自と他の境に気づいた時
・「良識のある社会」についての疑問と反感
・耳を舐めた相手が自分と同じ興奮をしていたとき
・相手が怒っている要因を言葉にして顕したとき

印象的な場面
・ダンカンは私を守ってくれない、と判断できるほどゴッド愛を認識していたこと
・カエルを潰して喜んでいたのに、自分より弱いものを気にするように変わる
・娼館にて平等を訴えたのは、気持ちよさの他に「すき」「きらい」の一線が出来上がったことと、「行為のためのモノ」になったことのへの反感?
・貴方とは終わり、と別れをキッパリ告げるシーン。何か出来るかと様子を見ていたのよ、とも言っていた
・家に戻った時の扉の濃い赤い色。赤だったんだ!

衣装
・赤ちゃん時の大きいパンツ
・お出掛けのカラフルで大きな襟袖なルック
・結婚式では新しく生まれたような白、転換ともあう
・黒い学生モード

パンフレットにあったその内容も含めてとても意味のあるすべてだった。
たましろ

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