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哀れなるものたちのNTのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
まずは、わかりやすい表現しかできなくて
情けないけれど、先に伝える。
・このアプリは5点以上をつけれないのが悔しい
・エマストーンのこの映画へのコミットというか
努力値というか、宿ってる感はもう100点中50000点


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(我々が住む現実世界は)
ソシオパス的な思考が世界に充満し
もてはやされ、富を集めるような、
あえて汚い言葉を使えば
くそったれな世の中で
「人間は改善と進歩をすることができるか」
という問いに対して
「肉体が外傷や病を治すように
努めれば必ず良くなる」という
何気ない彼等のやり取りを重く重く受けとめれた。

強烈なフィロソフィーと
強靭なフェミニズムのもと、
いや、むしろ、あらゆる考え方の枠組みさえ軽々と
超越した人間の希望の大きな塊のような映画。
こうも打ちのめされた映画はいつぶりだろう。
悲しみや苦しさでへこたれているのではない。
映画はまだ僕らに手を差し伸べてくれるのかという疲れと感動の先に形容できない心の震えがある。

もう人生でアフターサンほど素敵な映画に会わないかもしれないと、しばらくうなだれていたが、こんなにも直ぐに蹴飛ばされるとは。

知を通して世界を愛することが僕たちにもまだできるだろうか。
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