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哀れなるものたちのchaooonのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
ずっと楽しにみしていたヨルゴス・ランティモス監督の最新作🎬✨
去年公開予定が延期になりがっくりしていたけど、まさかのリスケ後の公開日が私の30代最後の誕生日でした😇
これは運命?と思い有給使って初日鑑賞🤤🎂

第80回ヴェネチア国際映画祭・金獅子賞受賞🏆
第96回アカデミー賞・作品賞含む11部門ノミネート✨

前作の『女王陛下のお気に入り』は日比谷シャンテまで観に行ったけど、今回は最寄りのTOHOでも公開してくれるということに地味に感動😋
前作は私もドストライク好みだったけど、世間的な評価も高まったおかげよね、きっと✨

身重で自殺を図るも天才外科医の手によって奇跡的に蘇生した女性ベラ💙
自らの胎児の脳を移植され、大人の身体に子供の心を持った彼女の奇想天外な冒険譚を描く🧠

前作でも印象的だった魚眼レンズの超広角な映像が不思議な世界に誘うし、かなりファンタジック眩暈がするほど鮮やかに美しくアート性が高い映像の連続💖
ベラが冒険の旅で訪れる都市名のテロップがモノクロでアート全開でまたかっこいい🖤✨
ちょっとbjörkっぽさあったな✨
予告でも流れてる不穏な劇伴がまた世界観に合っている♬

驚くべき残酷さ、それでいて美しい、童話のような摩訶不思議なお話。
描かれるベラの奇怪な人生や冒険譚。
幻想的な映像と共に綴られるおよそ現実とは乖離したような異質な世界だけど、描かれているのは女性が生まれ変わり、自立し、解放され、人生を自分のものにする女性讃歌に溢れた物語だった✨
ヨルゴス変態なだけじゃなかった!!!
同じくアカデミー賞作品賞にノミネートされてるバービーとちょっと通じるところもあった🤔
これはヨルゴス版バービー!?💖
対になるような作品にも感じた。

観るもの全てが新しく、貪欲に世界を求めるベラ🌍
でもベラに関わる周りの人間たちは、さまざまな視点ややり方でベラを縛り、拘束しようとする。
物理的だったり、精神的にだったり、暴力や愛、規則やモラル、価値観。
無垢で自由な彼女の何物にも囚われない奔放さに人々は惹かれ嫉妬し、彼女のためと言いながら、結局は自分の利己的な思いで、縛り傷つけ自分の中にある枠の中に収めようとする。

それに対しスルリとすり抜け決して屈服はしないベラ。
貪欲にまっさらな瞳で世の中を見つめ、疑問視し、愚かと思われようと世界を変えようとするベラは常に真っ直ぐに美しい✨
子供のような言動だった彼女が次第に知性を身につけていき、変化していく姿をエマ・ストーンが好演💖
エマは主演だけでなくプロデューサーとしても名を連ねるだけあった、意味深い役を自身で力強く演じていた✨

ベラや女性たちが纏う女性の衣装がどれも奇抜で美しく目を奪われる✨
パリの娼館のハダけた感じも美しかったな〜✨
やり過ぎなくらい膨らんだ肩のデザインのドレスの数々✨
誰かに同伴する時はスタンダードな長い裾のドレスを合わせているけど、ベラ1人で冒険に歩み出す時は決まって丈の短いスカートに履き替えてるのが好き😍
またエマの美脚が堪らない😋💕
街並みのセットや部屋の内装、インテリアも素敵過ぎて目が幸せ💖

ベラを改造し研究者として観察し、また父親として彼女を庇護するゴッドウィンを演じたウィレム・デフォーもよかった✨
フランケンシュタインのような神をも冒涜するような驚異の研究を行う天才外科医だけど、自身も父親から実験の対象とされていた傷があったり、なかなか背景やヴィジュアルもグロテスクというかインパクトある人物だった✨
彼が造ったと思われる鳥犬などの違う生き物の頭と身体繋いだ動物たちが妙に愛らしくて、こちらも好み過ぎた🥹

パリの娼館のマダムが全身タトゥーでエキセントリック!と思ったらキャサリン・ハンターでびっくり!
こんなとこでお目にかかれるとは❣️
それと船上で出会う老婦人のマーサはなんとファスビンダーの『マリア・ブラウンの結婚』のハンナ・シグラ!!!!
マリアブラウンも数奇な運命を辿った女性で、社会の枠から飛び出す先進的な姿を描く話だったけど、このキャスティングは意味深く感じてニヤリとしちゃう😋❣️
2人目のベラ的存在のマーガレット・クアリーちゃんも出番少ないながら可愛かった🤤💕

物語に込められたメッセージや映像の洗練された感じとか、全体的にマイルドになってメジャー作品ぽくなった印象だけど、ヨルゴスと言えば…な要素がやっぱりあった😇

その1…ヘンテコダンス🤣
今回もハイテンションでシュール🤣🤣!!!
だけど、エマのダンスが軽やかで普通に好きだったかも😋
自由気ままに踊るベラに迫っていくラファロがまた最高🤣

その2…情緒を感じない滑稽な性描写🤣
今作とにかくエマが大胆に脱ぐ!乱れる!まぐわう🫣🛌!!
ヨルゴス作品に独特な性描写はつきものだけど、今回はカット数も多かったな〜!
今回もシュールだけど、幾分か情緒もあるものもあったし、エマ×ラファロのシーンは俳優の魅力も相まってエロさもありました😌

その3…幼稚な取っ組みあい🤣
ラファロ暴れまくり!
今作で一番ベラに翻弄されて振り回されていたのじゃラファロだったな😇

過去作はラストはモヤモヤすることが多かったり、作品自体も独特の不穏さや不快感が漂うテイストだったヨルゴス作品だけど、今作は爽快なラスト✨
と思ったら、パンフ読むとなるほどな、の視点で映画のこの先の不穏さを思われる解釈もできるのね🤔
やっぱりヨルゴスはヨルゴスだったのか😇
何にしても、好きな作品の一つにはなったかな✨✨✨
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