#哀れなるものたち
覚束ない二足歩行でケモノからヒトへ。
生を得て性を貪り、やがて世界の不均衡を知り知の探求へと歩む人類進化論を体現するベラ。
向けられる嘲笑と憐憫、そして男どもの支配欲をものともせず、常識にも良識にもとらわれず自由と尊厳を解放していく彼女には、世界はかくも哀れであり、美しく写っただろう。
彼女が未知に触れ、なにかを獲得していく度に、複雑になり同時に可能性を見出していく光明。そこに何度も何度も恍惚を覚えた。
皮肉と社会批判溢れる、この素晴らしい人生讃歌を、不協和音とも呼べるレベルの映像、音楽、美術を駆使してアートへと昇華させ、それでいてちゃんとエンターテイメントとして抜群に面白い。
参りました。ヨルゴス・ランティモス。
圧巻でした。エマ・ストーン。
