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哀れなるものたちのOMCのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
ヨルゴス・ランティモスの新作ということで予告が出始めた頃から楽しみにしていました。
奇妙な違和感と美しさが同居する唯一無二な映像美を堪能しました。
最初のベラの登場シーンから、動きがヘン!喋り方がおかしい!そして同居する老人はどう見てもマッドサイエンティスト。こんなの絶対に好きなやつ、と確信しました。自由奔放な幼児性と大人の美しさを兼ね備えた難しい役を演じたエマ・ストーンをはじめ、俳優陣の演技が素晴らしかった。
そして、なんといってもセットがすごい。現実にありそうでなさそうな寓話的世界観が見事に構築されていました。
メインのテーマはフェミニズム。社会的風潮や常識にとらわれず、自分を束縛しようとするものには目もくれず、自分の価値観で生きていく(成長していく)姿には爽快感さえ覚えます。女性を好みの型にはめようとする男性に愛想をつかし、女性がいつも選ばれる立場であることに疑問を持ち、現実社会で暗黙のうちに了解されているアンバランスな男女関係が次々に炙り出されていく。141分とちょっと長めですが、そんなこと感じさせないくらい中身の詰まった作品でした。
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