ゆりか

哀れなるものたちのゆりかのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
恋愛や妊娠・出産といった「女性なら誰しもが経験すべきこととされている」ようなステップがベラを大きく成長させたわけではない、という描き方が好きだった。紛れもなくクィアの映画だ。
最初は実験体としての扱い酷すぎるだろと思ったけど、普通に女性として扱われる方がめんどくさくて息苦しいって、どんな地獄だよ。「女」よりも「人間」として居られる場所を築き、(またどこかへ冒険するかもしれないけれど、)帰る場所としたベラの選択もよかった。

素直な心の動きを大事に人生を楽しまないと!
とか無難な感想になっちゃったけど、めっちゃぶっ飛んだ映画でした。袖のかわいい衣装もデコラティブなインテリアも素敵だった〜

かっこつけないで言うと、私がエンパワメントされるのはもっとボロボロに傷つく主人公なんだなと気づいてしまい、それがすごく気持ち悪くなった。経済的に豊かで美しい白人女性に自分を重ねることに対して忌避感と罪悪感がある…別に重ねなくてもいいんだけどさ
ゆりか

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