想像してたのと全く違う衝撃
エマ･ストーンの役者としての幅の広さと深さを目の当たりにされた
というのと、
まるでヒエロニムス･ボスの天国と地獄のような舞台の中で展開される物語
ある一つの舞台劇を観ているような
そんな、とても不思議な映画
描写や内容が性的で過激なのに、想像以上に哲学的でいつの間にかベラの虜になったのは、ダンカンだけではなく観客のほとんどもそうだったのではないだろうか。
時間が経つほどに驚くべきスピードで成長していくベラ。
冒頭のベラと後半のベラを比べると、その知能レベルは雲泥の差だった。
特に興味深かったのは自慰行為の独自の発見。脚で股を擦り、そのHappyを覚え、より強い刺激を求め果実で試してみる冒険心。どちらかというと研究者。
大人たちはみんな、社会的に赦されていないことだと止めるけど、子供にとっては止められない好奇心。
二者のぶつかり合いが、作品を通してずっと描かれる。
より好奇心を掻き立てられる冒険に出たことによって得ていく知識や経験をすべて受け入れていく無垢な姿が、愛おしくも恐ろしい。
初めて見る貧困と哀れさに嘆くベラのシーンがとても印象的だった。
哀れで悲しいと思う反面、自分は羽毛布団で横になっている現実にショックを受ける様は、一度は誰もが思っても言語化しないものを、いとも容易く言葉にして嘆くベラの姿が、可愛らしくも哀れ。
ついこの前までは、性への快楽に溺れ、砂糖の甘さに浸る無垢な少女だったのに。
ラストの描き方はとても美しく完結。
ちょっとした悪夢を見ていたようなそんな読後感。
圧倒的なアートディレクションと構成。
前作よりもよりパワーアップした監督の底力、堪能させて頂きました。
