えぐさと美しさを両立させて笑えるように仕上げた逸品!
冒険の果てに、死と再生、男性と女性、造物と被造物という境界、運命を乗り越えて実存を確立する大団円(ゾンビだろうが何だろうが好きなように生きる)に圧倒された!
ユーモアのバランスも凄く好みで面白かった~。
仕事をしたがらないベラに人生を説く娼館の女将の場面
「人生を深く知るには色々な経験が必要だ。これも真理の地平を拓く内の一端。分かったら、さっさと仕事を済ませて~フランを私に持っておいて云々」の下りは、社員に仕事を説く松下幸之助が頭をよぎった。
惜しむらくは、ベラの知能が向上するに従って今まで気付かなかった世界の姿、知りたくなかった真実との対決(ゴッドが実験として自分を作った)の描写は薄く深みが足りなかったかな~・・・。
補完するためにも、『アルジャーノンに花束を』やアラスター グレイ原作の『哀れなるものたち』も読みたいと思う。