みちゃまる

哀れなるものたちのみちゃまるのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
自身の不幸を嘆き、若くして自死してしまった女性・ベラ。天才外科医のゴッドウィンによって胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。世界を自分の目で見たいと願うベラは、放蕩者の弁護士・ダンカンと共に旅立つ。大人の身体を持ちながら、幼子の脳で見つめる世界とは…。

人は保護者の庇護のもと、いわば生かされた存在から、自由を手にし生きる存在に成長していく。しかし甘美な自由の裏には欲望をむき出しにした獣のような存在や、時に暴力的な世界が待っている。この残酷な世界で生きるためには自分自身を護り、失敗から学び、成長しなければならない。戸惑い、混乱しながら自身の頭で考え、行動しなければならない。人生は決して他人に指図されたり、抑圧されたりするものではない。
この作品はベラの瞳を通して奏でる、壮大な自由の讃歌だ。
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