nini

哀れなるものたちのniniのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
凄い映画を観てしまった🍸

散りばめられた奇妙で不道徳な物事達を
絵画の様な映像美が ベールみたく包み込んで
釘付けにして離れられない🥚🥧
「Dr.パルナサスの鏡」を彷彿させる不安定さ
なのに心地よささえも覚えた

一般常識やそこらのイデオロギーに沿ってみれば、幸せの絶頂期とも呼べる子供を授かったベラ。そんな彼女は自死を選んだ。何がそうさせたのか。男性優位な社会に抗えず、遠ざかる自由に、追いつけない自立に、堕落していく人生に叶わない. と生き辛さから絶望して諦めたのか。それとも大切な人の裏切りを知っていたからなのか。

一から生き直すベラの人生は、それらの一文字にも縛られてなかった。好きだと思った方向に直感のままどんどん突き進んでく。“変わる事”を恐れない自由奔放さ、何より自分自身を信じて、世界は残酷である事を受け入れる強さを(私達が気付かない間に)ベラは既に持ち合わせていた。自分の置かれた環境で確実に、聡明で美しい女性になっていく。何とも格好良く、圧倒され魅了されました。📖🐐
生きるって素晴らしい。故に尊い。
そして見事に演じ切ったエマに喝采!

“あらゆることを 経験するの
幸せだけでなく 波乱や恐怖 悲しみも
すると世界が見える
世界を知れば- もう私たちのもの”

「幸せな話だよ」
nini

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