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哀れなるものたちのmeehooのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
ガーディアンズオブギャラクシー3がダメな人は、苦手なシーンがちょいちょいあるかも。こーゆー悪趣味好きでしょ?感たっぷり、、。
いやしかし、過去作では散々ぶっ壊れた家族を描いていた(と私は感じた)監督が、どこでこんな愛を手に入れたの??ってくらい可愛らしく優しい映画だった。
ベラが獲得していく『強さ』がとてもいい。いちいち正論で、社会に蔓延している欺瞞をことごとく粉砕していく姿がとてもいい。社会の尺度を頼らずに生きていくって無敵だなと改めて感じた。また、仕事と割り切らず、相手を好きになろうとゲームを持ちかけるところもとても好き。持ちかけるゲームの内容も好き。
ダンカンじゃないけど、どんどん魅力を増していくベラにのめり込んでいってしまう自分がいて、終始ワクワクが止まらなかった。

しかし!それだけに!

ラストのアレはなぜ?と思ってしまう。冒頭に書いた露悪描写は、残酷な子供(心)の戯れと思えばまだ許容範囲内だけど、社会主義運動にまで触れたベラが、最後にあんなことをしてしまうなんて。
そこはヨルゴスランティモス。『やっぱやーめた』ってベラの成長譚をかなぐり捨て『みんな哀れで、みんないい』宣言したのかねぇ?原作ママなのかな?知りたい。

得てして、なんでもかんでも思い通りにはいかないものですな。。
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